はじめに
道路管理センター京都支部は、平成元年5月に開設され、平成3年4月の業務開始以降、順次業務拡大を行い、三大業務に係るシステム開発、構築及び改善を図ってきたところである。
平成11年1月からは、これまでのホスト集中方式からクライアント・サーバ方式による分散処理方式へ移行し、京都支部内に新たにサーバを設置しました。従来、関西地区支部において行っていた各種のセンター作業を、京都支部において行うことになったため、システム運用課長を設けるととも
にオペレータを増員し、システム運用・管理体制の強化を図りました。
平成13年度から取り組んできたオンライン電子申請については、平成16年3月に運用を開始し、平成15年度中に第3次ハードウエア更新も完了し、今後ともシステム参加者との十分な協議及び調整を図りながら、円滑な運用を図っていきたいと考えています。
1 道路管理システムの業務運用
1.1 道路占用許可申請業務の運用
京都市においては、平成3年4月に一部の区域を対象に実施して以降、毎年対象区域拡大を行い、平成6年4月から京都市全域(11行政区)において運用 しています。
京都国道事務所については、平成5年10月から京都市域内の全路線を対象に本格運用を開始しています。また、統計処理面でも、京都国道分については、平成6年度から、また京都市分については、平成12年度分からそれぞれ調書ベースによる年度末集約処理を実施し、継続占用数量を算出・提供するなど調書ベースシステムの効率化 や充実を図っています。
(1) 占用許可申請システムの運用
1) 対象区域は、京都市全域です。対象工事は、占用料徴収対象工事ですが、オンライン電子申請化後は、引込管等の工事も含まれます。
2) 京都市向けの占用申請においては、許可後にデータ入力を行っていましたが、平成15年度に電柱・引込管等を対象にオンライン電子申請化しました。
3) 京都国道事務所においては、許可後にデータ入力を行っていましたが、平成15年度に全ての工事を対象としてオンライン電子申請化しました。
(2) オンライン電子申請方式の導入等
1) オンライン電子申請方式
電子申請方式のシステム化に当たっては、先行して実施した支部の運用状況等を参考にしながら、道路管理者、公益事業者の相互のメリットを十分引き出せるように検討を重ね、平成16年3月に運用を開始しました。
2) 対象工事の拡大等
今後オンライン電子申請方式の運用が定着化すれば、対象工事を拡大すると共に、添付図面、写真について参加者との十分な検討を経て、システム化を図っていきます。
(3) 継続占用数量の算出
1) 調書ベースの継続占用数量の算出については、平成6年度から京都国道事務所分を平成12年度から京都市分の運用を実施しています。
2) 図面ベースの継続占用数量算出については、今後の課題として継続検討します。
1.2 電線共同溝管理業務
直轄国道については、国道事務所の意向に沿った形で、データ入力、運用開始に向けて検討を進めていきます。
京都市については、国・他都市の導入状況を見守りながら検討を行うこととします。
1.3 道路工事調整業務の運用
道路工事調整業務については、平成4年9月からの手作業との併行運用を経て、京都市及び京都国道事務所とも平成5年の道路工事調整会資料から長期計画及び年間計画について本格運用を行っていますが、平成16年度からの京都国道事務所道路工事調整会(占調会)は、京都市道路工事調整会に一本化されることとなったため、必要なデータ移行を行い、的確な運用に努める
1.4 道路・占用物件管理業務の運用
(1) 道路・地形データの整備及び更新
1) 道路・地形データについては、年1回更新入力を行っている。データの鮮度向上については、当面、仮置きデータ入力で対応することとする。
2) 仮置きデータについては、平成6年度にいったん試行、検証を行い、運用を行っています。平成6年度から平成9年度までに84メッシュ入力を行っており、今後とも必要な仮置きデータの整備に努めます。
3) 新たなデータ項目の取込みとして、平成7年度から私鉄(阪急、京阪)の地下部分や地下駐車場の入力を行っており、これまで32メッシュの入力を行っている。合わせて、入力原稿を基に、断面図登録入力を48面行っている。地下駐車場並びに地下駐輪場については新たな建設が行われていることから、引き続き原稿入手に努め、入力を行っていく。
4) 家形・家名データについては、システム参加者の利便性向上のため、平成14年11月に開催された京都市個人情報保護審議会において了承された市販データを導入し、平成14年末にメインサーバの道路・地形データベースへの取込みを行いました。
5) 直轄国道の区域拡大のために、平成10年度から道路・地形データの入力を行い、平成11年度に終了しました。
(2) 占用物件データの入力及び更新
1) 占用物件データについては、毎年度1回更新入力を各システム参加者においてMT交換方式により行っています。なお、電力及びガスについては、毎年、全メッシュ更新を行っています。
2) 地下鉄東西線の京都高速鉄道(株)管理区間3.4kmについては、継続して入力を行う予定です。
3) 直轄国道の拡大区域への占用物件の入力については、今後、道路管理者と調整を図りながら実施していきます。
(3) 道路・占用物件データベースの信頼性(精度)の向上方策
1) 道路データベースの信頼性(精度)向上方策として、平成5年度から6年度にかけ支部職員により全メッシュの目視点検を実施し、修正作業を行いました。現システムにおいては、交換MTチェックプログラム及び検査用データベースを活用することにより、一層の精度向上に努めていきます。
2) 占用物件データについても、交換MTチェックプログラムによるシステムチェックの試行を引き続き行うとともに、実施に向けた検討を行います。
2 ハードウェアの整備
(1) 平成11年1月からDIPSマシンによるホスト集中方式から、クライアント・サーバによる分散方式への移行を行っていきます。
(2) システムの円滑な運用を行うため、今後ともシステム参加者とともに十分な連絡調整を図りながら整備作業を進めていきます。平成15年度中にオンライン電子申請関連のサーバを導入し、平成15年12月には、第3次ハードウェア更新を行いました。
(3) システム参加者EWS端末のPC化(X端末方式)については、平成16年度の本格運用に先立ち、平成16年2月から試行運用を開始するため、必要なEWSサーバを導入しました。
3 システム開発・改良
(1) これまで三大業務の定着を図るために逐次ソフトウェアの改良を進めてきたところです。今後も、より効率的な運用が図られるよう、システム参加者からの要望も踏まえ、改良に努めていきます。
(2) 特に、制度改正等業務上やむを得ないものや改良効果の高いもの及び各地区で共通的に利用できるものを優先して開発・改良を行ってきました。当面は安定稼動を目指すオンライン電子申請の改良が主体となっていくため、それ以外は制度改正等緊急性の高いものに絞り、開発・改良を行っていきます。
4 システムの管理運用
(1) 道路管理システム及び端末機器の操作等の研修については、これまでから行ってきたところです。今後も、システム参加者と調整を図り、操作性等を中心とした計画的な研修会を実施し、安定した運用が図れるよう努めます。
(2) 地震等による大規模災害発生時における支部の業務体制及びシステム参加者との連絡体制等については平成9年度に災害対策行動要領を策定し、平成11年度から支部代行処理の訓練を定期的に実施してきました。平成14年8月末には、支部内での連絡訓練を実施し、平成15年10月1日には、システム参加者を加えた形で連絡訓練を行いました。更に、平成16年10月5日には、出図依頼の検証を含めた支部代行訓練と連絡訓練を合わせて行いました。今後とも毎年必要な訓練を実施していきます。